「……わたしには別に、紹介していただくようなことはありません」  「いやいやいや、普通にありまくりだから!」  「あたしらの商売敵にして、街ゆくカップルたちの恋路の敵、『恋愛お邪魔団』の少女ドンなんていう奇抜極まりない子だかんなー、ひじりんは」  「それはっ……そうですけど……」  「恥ずかしいから紹介して欲しくないとかだったりしてな」  「そこが恥ずかしいんならそもそもあんなことしてんなよ、と言いたい」  「はっきり言って謎のコスプレいやがらせ集団だもんなー、お邪魔団。ひじりんはドンだけあって特に訳のわからんカッコしてるし」  「わかっていますそんなこと! でも、毎回毎回団員の皆さんについノセられてしまって……」  「芹摘って将来飲み会とかで周りにあおられてついバカな芸とかやっちゃって翌朝我に返ってから後悔するタイプな気がする」  「長いタイプだなぁとつっこみたいところだけど、超同感」  「ほ~ら、こんなに紹介することあるじゃんよ」  「も、もっと根本的なところの話ですっ。わたしはそのっ……」  「ん?」  「なんだなんだ? あたしのばら見比べて」  「……辻さんは背が高くてすらっとしてて、織奈さんはものすごい美少女であげくそんな立派な体型で、お二人とも見るからに非凡です」  「……中身もいろいろアレだしなぁ」  「アレってなんだよ、アレって」  「わたしなんて平均中の平均ですっ! 体型もルックスも平々凡々、成績だって常に平均点ぴったりの歩く平均、いわばミス普通です! とんだお笑いぐさじゃないですか!」  「ぜ、ぜいたくゆーなーーーーっ! おのれーなにが平均だっ、えーかっぷをなめるなぁぁ! のばらもなんか言ってやれーっ!」  「あ? んー……それくらいの方が下着買いやすいんだから贅沢言うなー」  「お二人みたいに恵まれた方々にはわからないんですっ。吉居さんだってそんなお二人の魅力に参ってるからいつも一緒なんでしょう!?」  「いや、普通に同じバイトってだけなんだけど……」  「結局世の中ってそういうものなんですっ、どうせわたしなんてっ……カップルなんて爆散してしまえばいいんですっ!」  「聞こえてないし」 

 
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彼と彼女の恋愛は、周りのみんなにとっても一大事でありまして。