「そのうち素敵な出会いがあるなんて考えてるヤツは、
40過ぎても童貞だ」
死んだ父親の遺言だった。
「相手を選べるのなんて若いうちだけよ。
……人生、やり直したい」
死んだ母親の遺言だった。
お見合いを重ねた末の晩婚。
そんな二人からなんとなく生まれてきちゃった主人公・関谷秋人。
恵苫学園で女子陸上部のマネージャーを務める彼は、
とある決断を迫られていた。
両親の結婚の失敗から、
孫の将来を心配した祖母・関谷千代が涙ながらに訴えたのだ。
「ワシもそう長くはない。はよう、嫁の顔を見せておくれ」
秋人に与えられた期間は1週間。
それまでに、嫁に相応しい相手を紹介できなければ、
千代の選んだ見合い相手と結婚させられてしまう。
「急にそんなこと言われても、困るよねぇ……」
兄の言葉を代弁した妹の恵は、
今日も楽しそうにお兄ちゃんの乳首を弄っていた――