「織奈というとまあ、ぶっきらぼうで口が悪くて達者でやたら冷めてて頭の回転早いとか、そんなとこか?」  「のばらといえばこんなルックスのくせに実は貧乏キャラ。これに尽きるな!」  「尽きちゃったらそれで紹介終わっちゃうんだけどなぁ」  「つーか、ほっとけ。キッキン始めてから新米買えるくらいにはなったよ」  「泣ける話だなぁ」  「まあ一杯分くらいだけどな」  「待てそれマジで泣ける!」  「見た目からは全然わかんないっしょ? でもコレ、涙ぐましー努力の成果なんだぜ。たとえばこの綺麗な髪は貧乏パーマとか」  「なんスか貧乏パーマって」  「三つ編みとか編み込みしてクセつけるんだな。でもフツーこうまで綺麗なパーマにはならない訳で。その点のばらは達人だぜ……?」  「へー、工夫して精一杯のおしゃれってとこか。織奈ってそゆとこ根が真面目っつーかえらいよな」  「うっさいなー。金ないからってそういうのサボるのキライなんだよ」  「あたし的には素でくそかわいいんだしパイオツ超あるんだからそれでいーじゃんって気がすっけどな」  「ああそうだよ。その身長でその胸は反則だろ」  「んだよー。見んなよ、金取るぞ」  「確かに金取れる気がする。織奈の胸は織奈の唯一の財産だな」  「ふたつあんだろーが」  「つっこみどころそこかよ!」  「いやうん、のばらは金がないだけだよマジで。他の全てを持ってるよ……」  「……背も金もある志乃に言われたくないっての」  「いやあんたモテるし! フツーにオトコウケいいしそのスペック!」  「ってつむじ押すなよコンニャロー!」  「いいじゃねーかそれくらい押させろよ! おのれー、かわいいなー! あー!」 

 
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彼と彼女の恋愛は、周りのみんなにとっても一大事でありまして。