いやー、恋愛って大変ですよね。

「人の恋路を邪魔するやつは、馬に蹴られて死んじまえ」
なんてことを昔から言いますけど、恋のお邪魔をするものは、なにも人だけに限りません。

慢性的な金欠、噛み合わない時間帯、待ち合わせに急いでるときに限って上がらない遮断機。
みんな恋路の妨げです。
ままなりません恋愛は。
だいたい、邪魔者を蹴ってくれる馬も、そう街中にはいませんしね。

そこで我々、キッキングホース・ラプソディ!
街行く皆様の恋路の邪魔者を、馬に代わってキックの嵐。
時間がヤバけりゃ送りましょう、遮断機下りてりゃ上げましょう、アンチカップルの恋路邪魔者集団も、必要とあらば極力即排除!
皆様、ご安心して恋愛してくださーい。

……けどさ、ときどき思うんだ。
おれたちだってお年頃なのに、なんで人の恋愛の世話ばっか焼いてるんだろうな? ってさ。
仲間は二人とも女の子で、隊長だって妙齢の女性。あげく敵対する相手であるお邪魔団の少女ドンとも、気がつけばなんだか話ができるようになってる。
異性に囲まれてるという、このある意味恵まれた、人もうらやむような状況。
だってのに、おれはなにしてるんだかな? ってさ。

だけども、恋に落ちてから思い知る。
恋愛は一対一で、おれたちは三人組+1。
唯一の男であるおれが誰かと恋に落ちれば、残る二人は文字通り、あぶれるわけで……

そう、恋をするのは二人だけれど、集団の中では恋は『二人の問題』に留まらない。
邪魔者を蹴り飛ばす方だったお仲間も、妬いたら途端に邪魔者に!
しかし恋心は、障害があればなおさら燃え上がってしまうものまた事実。
蹴って蹴られて妬かれて燃えて、ジェラシーとイチャラブに満ちたこのドタバタは、いったいどこへ向かうというのか――!?

 
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彼と彼女の恋愛は、周りのみんなにとっても一大事でありまして。