 
        
            主人公、西桐 悠はいくらかはずれた季節に学園へと現れた転校生。
            どこでもやたらと眠るクセを除けば、ごくごく一般的と云えなくもないかもしれない感じの平均風な人類。
        
            とは云え月日は百代の過客にして新味にも限界があり。
            転校よりすでに半月が経過し、そろそろ当人も周囲もがその存在に慣れてきた頃。
        
        	その間、周囲にできた友人は3名。
             
        
            黙ってただ在ればそれなりにハンサム、それなりに成績優秀、それなりに健康優良児。
            ひとりめ。
            クラスメート、生嶋 秋月[いくしま しゅうげつ]。
            しかしその口が閉じることはあまり無く、結果的に残念な男子。
        
            ふたりめ。
            秋月の幼なじみでもある、小林 神威[こばやし かむい]。
            その妙にハンサムな名前も相まって、黙っていればクールビューティ。
            しかしその実、かわいいモノに滅法弱かったり妄想が暴走気味だったりする残念少女。
        
            さんにんめ。
            漆黒の長い髪を持つどこか和風の美少女、六覚院 このは[ろっかくいん このは]。
            成績優秀気立て良し。
            立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は生徒会長。
            が、しかし極度のあがり症が災いし、重要な場面では高確率でヘタれる残念学園総代。
        
            四人が親しくなったきっかけは、学園の敷地内に併設されている寄宿舎。
            時代の波と少子化問題的なものにのまれ、閉鎖が決定しているその寄宿舎の、彼らは最後のメンバー。
        
            階が隔てられているとはいえ、学校が終わればひとつ屋根の下。
            そこに加わり、ほどほどに青春な日々を過ごしていたところへ現れた、新たなる転校&入寮生。
             
        
            その名は──
            海の向こうよりやってきた金髪の少女、アレクサンドラ・アン=クリスティン・アクセリナ。
            そしてその従者、メイドのインゴット。
            日本へは気象学を学びに来たというアクセリナ、彼女にはある秘密があった。
        
そしてさらにある日、事件が。
赤ちゃんが──寮の前に、捨てられていたのである。
